2018年にスルーハイクしたContinental Devide Trailの装備を紹介します。
CDTにこれから臨む人だけでなく、装備の参考として楽しんもらえればと思います。
REIでは基本的なものは揃うがあまり面白いものはない
パッキング
”旅の相棒はお気に入りのものを”
毎日使うものだからこそ、見るたびに嬉しくなったり、買ってよかったと思うものを基準に選んでいます。今回の旅では節約のためと、気に入った色が無かったため、バックパックは自作していきました。
【自作】バックパック
メインの生地はXPACを使い、吹き流しやサイドはシルナイロン70Dを用いました。匂いや汚れが目立つのがとても苦手なため、一ヶ月に一回は丸洗いしていました。XPACの生地は汚れやすいですが、洗うとかなり元の色に近づくため、汚れたら頻繁に部分洗いをしていました。
フロントのナイロンベルトの縫いが甘く手縫いで修理をしましたが、生地自体に穴が空くことはありませんでした。それよりもシルナイロン70Dのシリコンコーティングの剥がれのほうが気になりました。
肩で背負うと胸周りの息がつまるので腰で背負っていた
宿泊用品
”いかに休みの日の快適さを保つか”
お金を節約するために、街での宿泊はモーテルやホテルを使わず、なるべく街のキャンプサイトを利用していました。宿泊に40ドル使うよりも、その分肉やビールを買った方が満足度は高いです。そのため狭いシェルターやテントを使わず、キャンプ場でもゆったりくつろげる大きめのタープを作って持っていきました。
【自作】レイウェイタープ
30Dシルナイロンを使いましたが、強度は全く問題ありませんでした。タープにする利点は、濡れてしまっても乾かす手間が要らないこと。今後日本の山で普通に使えるタープを制作を検討しています。
【THERMAREST】neo air X
PCTの際はリッジレストを使っていましたが、途中でエアマットに入れ替えました。歩く日の体力回復や、歩かない日にタープ内でゴロゴロするには、エアマットが最適です。パッキングのシルエットが小さくなるのも魅力です。
タープのテント張りが最も簡単で強い
湿気が少ないが蚊が多いところでは蚊帳だけで
タープを張るのは基本的に面倒くさいのでそのまま寝る(カウボーイキャンプ)
クックウェア
”ささやかな楽しみと重量とのバランス”
あまりトレイル上の食事内容に関しては好みがないため、手軽にカロリーを摂取できて安い袋ラーメンなどを基本に食事をとっていました。朝はコーヒーを飲みたいのでコップとドリッパー、コーヒーの粉を持ち歩きました。コップなどはなくても全く問題はありませんが、あると旅が豊かになります。
【evernew】 titanium alcohol stove
アルコールストーブは音が出ないことが最大の利点。ガスカートリッジよりランニングコストが安いのも魅力です。トレイル近辺での燃料の調達が容易でした。そろそろクックウェアの減量を図りたいと思っていますが、安定感がありすぎて変えるのをためらっています。
即席ラーメンを2袋砕かずに入れられる幅のある【snow peak】titanium pot
ウェア
”汚れと匂いとの戦い”
短い旅なら匂いや汚れは我慢できますが、長期の旅ではかなり気になります。歩き終わるとウェットシートを使って全身を吹き、寝袋を汚さないように気をつけていました。水場があるところでは体を拭いて、少しでもさっぱりして眠ることが、翌日のトレイルを楽しむために大切でした。日本のトレイルと違い、土が細かく乾燥していて足が真っ黒になるので、水場が近いときに洗います。
【icebreaker】wool shirt
ナイロンやポリエステルが少しでも入っているとすぐ臭くなるので、メリノウール100%であることが最優先。ウールのみだと生地が弱くてすぐ穴だらけになるため何度か買い直しています。
【integral designs】silcoat cape
蒸れて臭くなるレインウェアがあまり好きではないためケープを持っていきましたが、稜線の多いCDTでは役に立ちませんでした。シーム処理もしていないので体がびしょびしょになります。
僅かな晴れ間を狙って乾燥と日光消毒
フットウェア
”一ヶ月間の相棒”
1日に大体30km歩く上に、川を渡ったり朝晩は寒さでカチコチに凍ったりするため、一ヶ月後にはだいたいボロボロになります。次の靴をどれにするかリサーチしたり、どこに送るかを考えたりするのもトレイルの楽しみの一つ。
最初はNewBalanceのminimus ベアフット系は足の裏が痛くなるので交換
ネズミに食べられたダーンタフ 朝見たときはショックで涙が出た
重さと快適さの兼ね合い
装備選びで重視したのが快適さです。
もっと意気込んで軽くしようとすればあと1キロくらいは簡単に軽くできるとは思いますが、苦しみながら歩きたくはないので少々重くなっています。
重さを削った部分は、自分の知恵でうまく工夫して、削れない部分は高性能ギアに頼って、バランスを取りながら歩くのが面白いです。一ヶ月以上歩く場合は体が荷物になれていくので、多少の重さは気にならなくなります。
それよりも久しぶりのハイキングにでるときになるべく荷物を軽くしたり、自分の体調や年齢に合わせて装備を選ぶほうが重要だと思います。