MYOG(Make your own gear)に出会ってからというもの、数々の山道具を作り、生業とするまでになりました。
私は専門学校を出たわけでもなく、鞄職人でもないため、独学で裁縫やパターンづくりを学んでいきました。
小学校の裁縫セットからスタートして、最新の道具へ地道に買い直していく中で、
「こんな便利な道具があったのか!」
「これを最初から使っていればどれだけ時間を節約できたか!」
と思うような道具をたくさん発見しました。
これからMYOGを始める方はもちろん、裁縫が趣味の方にもおすすめできる小道具を10個に厳選して紹介していきます。
私にとって目から鱗の道具10選
1、仮止めクリップ
クロバー 仮止めクリップ
布と布同士のズレを防ぐ仮止めは、マチ針を使うのが当たり前だと思っていました。
このクリップに変えた途端、作業が劇的にスムーズになりました。
縫いながら片手でかんたんに取り外しができ、布の保持力も結構あります。
私はこれを使うようになってから、マチ針を使うのを一切やめました。
マチ針の折れも紛失の心配もなく、今では大量に買い込んでストックしています。
2、鋭角カッター
OLFA 細工カッター替刃
布を裁断するには、大きくて切れ味の良い裁ちバサミが最適であると思い込んでいました。
鋭角カッターは刃先が30度で、通常のカッターより小回りがききます。
大きな裁ちバサミでは切りにくい細かいカーブも、この鋭角カッターであっという間に裁断できます。
綿でもナイロンでも、何でも切ることができるので、布の裁断はほとんどこの鋭角カッターです。
切れ味が落ちても替刃をポキっと折れば、いつでも新品の切り心地です。
3、目打ち
Clover N なめらか目打
裁縫関連のYoutube動画を見ると、多くの人が目打ちを片手にミシンを踏んでいます。
最初は目打ちなどいらないと思っていましたが、使ってみると意外に便利。
布を送ったり、ミシンの押さえを上から押さえつけたり、右手にはいつも目打ちを持つようになりました。
写真の目打ちは先がなめらかになっているので布を傷つける心配がなく、安心して作業できます。
5、毛抜き
Zwilling ツイーザー (先平)
縫い間違いや、飛び出たアホ毛を切りたいときに、今までは糸切りバサミやリッパーを使って糸を取り除いていました。
面倒なので、なるべく失敗しないようにと緊張しながら縫っていましたが、毛抜きを導入してから、失敗が怖くなくなりました。
ちゃんとした毛抜きは細かいアホ毛もバッチリ掴み、絡まった糸もあっという間にほどけます。
6、マイクロトーチ
SOTO マイクロトーチ
ナイロンテープや細引きを切断する際は必ずほつれ止めが必要です。
火であぶって端を固めるのですが、今までは普通のライターを使っていました。
熱さや火傷が怖くてビクビクしながら使っていましたが、マイクロトーチは着火ボタンが熱くなりません。
しっかりと連続で、ほつれ止めの処理をすることができます。
ガスが無くなっても補充がかんたんで、作業台に置いてすぐ使えるようにしています。
8、パウダーチャコ
ローヤルパウダー
布に印をつけるにはチャコペンを使うというのは知っていましたが、削ったり折れたりするのがとても面倒でした。
代わりに鉛筆やマジックを使っていましたが、パウダー型のチャコを知ってからはとても快適です。
チャコの芯で書くのではなく、パウダーが布に乗って印を作り出します。
作業をしている間にパウダーが落ちて印が消えるので、最後にチャコを落とす必要もありません。
目から鱗のびっくり道具でした。詰替カートリッジもあります。
9、目盛り付きマスキングテープ
MT 和紙マスキングテープ 定規 20mm x 10m(左から二番目)
マスキングテープ自体がとても便利で使っていましたが、目盛り付きが更に便利です。
同じものを何個も縫うときは、ミシンの台に貼って目印にしたり、あらゆる机に貼ってすぐに長さを測れるようにしています。
10、ミシンオイルスプレータイプ
オザワ工業 SFスプレー式ミシンオイル(220cc)
家庭用ミシンとは違い、職業用、工業用ミシンにはミシンオイルが必須です。
最初はケチャップの入れ物のようなものにミシンオイルをいれて注油していましたが、オイルが製品についたり量がわからなかったり面倒でした。
スプレー式のオイルにしてからは、通常のメンテナンスはもちろん、異音がしたらすぐに注油でき重宝しています。
最新の道具を使いノーストレスで素早く作業を
ミシンの小道具に関わらず私は最新の道具が大好きです。
労力を減らしてくれる最新の道具は、作り手の知恵や工夫を惜しみなく注ぎ込んだ努力の結晶だと思います。
chant!の製品に関しても伝統の技法や道具に固執せず、新しいものを生み出したいと、日々試行錯誤しています。