2025年にオープンした信飛トレイル。
松本と高山をつなぐ117kmのロングトレイル、DAY3-5の記録です。
計画準備、Day1,2については以下を参照してください。
DAY3(小梨平キャンプ場~中尾峠~平湯キャンプ場)
前日に引き続き5時に出発。
焼岳山頂近くの中尾峠を越えて、温泉街を26km歩くビッグデイだ。本来なら焼岳越えを終えて中尾高原で一泊するが、距離にして10km程度。1日の行動距離にしてはやや物足りない。朝早く出発すれば、平湯キャンプ場までなんとかたどり着けるだろう。
上高地の朝は早く、モヤがかかった梓川の周りには観光客がチラホラ。
今度は人の少ない積雪期にキャンプ装備で訪れて、遊歩道をBCクロカンで散歩したい。
きっと楽しいだろう。
焼岳の登山口、穂高連峰の登山口と違って簡易ゲート
穏やかな湿地帯から急峻な山が立ち上る
垂直な梯子をのぼる、信飛トレイル全行程で危険箇所はほぼない
秋空と焼岳が近づく
中尾峠では、活火山の噴煙が立ち昇る
中尾峠を越えると、奥飛騨温泉郷に到着する。
下山口以降はほぼロード歩きが続くが、適当な間隔で温泉地が並んでいるので、飽きは来ない。
ひっそりとした温泉街に、バブル時代の影を残す大型ホテルや朽ち果てた廃墟が旅情を誘う。
積雪間際の寒い時期に温泉で体を温めながらトレイルを歩く、なんて楽しみ方もあるかもしれない。
瓦屋根の多かった松本市の建物に比べるとトタン屋根が増え、積雪の多さがうかがえる。
昭和の面影が残る温泉街
立ち寄り湯(管理人が常駐しない寄附制の湯)
足湯で温まると、意外に体が冷えていたことがわかる
川沿いの道に戻る、川に始まり川に終わる信飛トレイル
マスクをしたお忍びカップルをよく見かけた
温泉街の締めは平湯温泉。
キャンプ場や温泉施設、バスターミナルもあり賑わっていた。到着は16時頃だったが、どこの施設も開店していたので、一安心。
温泉施設「ひらゆの森」は私好みの熱々の温泉。しっかり体を温めて、売店で買った惣菜をもってキャンプ場で夕食。
日本のトレイルならではの楽しさだ。
DAY4(平湯キャンプ場~丹生川集落)
温泉にしっかり浸かったからか、ばっちり寝坊してしまった。おまけに雨降りで撤収が面倒くさい。もたもたしていたら出発が10時近くになってしまった。
平湯キャンプ場を出ると信飛トレイル最後の峠越え。平湯トンネルが開通してから人の往来が減った平湯峠だが、サイクリストと何人かすれ違った。
街道もトレイルと同じで、人が歩くと栄える。
旧街道は国道に役目を奪われ、あと30年もすれば街道沿いの集落も消滅してしまうのだろうか。
ガスに包まれる平湯峠
海外からの旅人 彼らの遊び方を日本人は見習ったほうがいい
このあたりでは機械乾燥ではなく天日干しが主流だ
人生100年時代に飲む長寿水
ロード歩きでも、時々絶景に出会えることがある
酪農や稲作、家具づくりのための製材所が増えてくる
DAY5(丹生川集落~宮前橋)
高山から出発するバスの時間に間に合わせるために、この日は早出だ。
あと5時間も歩けば高山駅に到着する。
田舎の朝は早く、高山市に出勤する人々がすごい勢いで車を飛ばしていた。
Day4,5はほとんどロード歩きだが、旧街道を辿っていることを考えると合点が行く。
古の旅人が何を想い道を切り開いてきたのか、少しわかる気がする。
林道の中では新鮮なクマのうんちを見つけた
可愛らしい電車が走り、ゴールが近いことを実感する
最後も川沿いを歩く 川とともに発展した街並み
高山側の終起点、宮前橋に到着
偶然にも高山祭の2日目に遭遇。春と秋に開催される日本三大美祭だそうだ。
旅の終わりはいつもしっぽり終わっていたが、今回は賑やか。鮮やかな神輿とからくり人形が並ぶ。
集落の日常生活にひっそりと紛れ込むのがロングトレイルだが、地域のハレの日に立ち会えるのは貴重な機会。
平日だが子どもたちも学校はお休み。旅の終わりに賑やかな喧騒も、案外いいものだ。