chant!のアトリエがある信濃町は、黒姫山や妙高山、斑尾山に囲まれた山深い場所です。
冬は雪に覆われて、夏には行けなかった場所をスキーで歩くことができます。
幸い今年は雪に恵まれ、どんなところでも歩いていけそうです。
そこで、アトリエのある黒姫山の麓から野尻湖までスキーで行ってみることにしました。
妙高山をバックに、六月田んぼにて
下準備
妙高、黒姫、斑尾に囲まれたアトリエから野尻湖を目指す
ルート作り
黒姫山の麓にあるアトリエから野尻湖まで、通常なら車で10分程度です。
しかし車道は完璧に除雪してあるため、スキーで歩くことはできません。
そこで、森の中のスキーで歩けそうな場所をつなげて、野尻湖まで歩いていくことにしました。
大好きなスーパー地形を見ながら移動する
スマートフォンの地図アプリ、『スーパー地形』を使ってルートを作成していきます。
このアプリは980円の買い切りで有料ですが、一度使ったら便利すぎて他のものを使うことができません。
ルート作成はスマートフォンの画面をタッチしていくだけで完成です。
・沢をどのように回避するか
・幹線道路や高速道路をどのように渡るか
・標高差がありすぎないか
といった点に気をつけながら地図をタッチしていきます。
完成したルートのデータは、同行者のスマートフォンに簡単に転送できるので、同じルートを見ながら歩くことができます。
詳しいルート設定の基準は、以下の記事をご覧ください。
青い線が事前に作成したルート
装備や歩き方
今回はほとんどが下りか平坦のルートのため、ウロコのついたBCクロカンというスタイルのスキーで移動しました。
BCクロカンは急斜面を滑るには不向きですが、機動力があり、スノーシューの何倍ものスピードで歩くことができます。
スノーハイキングについては以下の記事をよければご覧ください。
実際に歩いたルート
朝の8時半に出発し、12時に到着。休憩も含め3時間半で野尻湖に到着することができました。
出発した後の5分程度の登り道を超えたあとは、ずっと下り坂か平坦な道です。
体力も使わず快適で、見どころがたくさんある面白いルートでした。
以下から、実際に歩いたルートを詳しく紹介していきます。
事前に想定していたルートをだいたいたどることができた
アトリエから野尻県有林
妙高山をバックに、自宅をスタートする(8:30)
自宅を出発した後は、野尻県有林を歩きます。
朝の森は雪が固く締まっていて、歩きやすく快適です。
平坦な道を少しだけ歩いた後は、今日の行程で唯一の上り坂。
上り坂と行っても5分も登れば鞍部にたどり着き、そこからは林道を一気に降ります。
革靴と細いスキー板の組み合わせは、とても不安定。
キャーキャーと叫び何度も転びながら、なんとか滑り降ります。
登りは最初だけ、5分も登ればあとは全行程下りか平坦な道 (8:51)
滑り降りた後、野尻県有林の看板を発見 (9:02)
沢超え~高速道路
沢を発見するが、渡れそうにない (9:11)
どの程度の深さの沢なのか事前にわからなかったため、とりあえず行ってみることに。
もし渡れないほどの沢なら北へ迂回して橋まで行こうと思っていましたが、ちょうどよく倒木の上に雪がたまっていたので、板を脱いで渡りました。
板を脱いで沢を渡る、スキー板は対岸に投げる
よさそうな雰囲気のゲストハウスこあらいを発見
沢を渡った後は「ゲストハウスこあらい」の脇を通り、高速道路まで降りていきます。
高速道路の手前ではリスが駆け抜けていきました。
段差があると飛びたくなる
くっきり見える妙高山
高速道路につくと、ロングトレイル感が増す (9:30)
高速道路沿い~六月集落
小綺麗な浄化センターの脇を通る
北陸自動車道のキロポスト「169」付近にある高架橋を渡ったあとは、高速道路沿いの林を歩いていきます。
左には深い谷があり、北しなの線の線路を望めます。
今回は運良くしなの鉄道の列車を見ることもできました。
モダンな建物の浄化センターを通過後、一旦板を外して道路を歩きます。
踏切で線路を渡り、六月集落に入ります。
アトリエからの標高差は100m程度だが、雪解けが進んでいる
踏切を渡る (10:07)
スキーをバックパックに取り付けて歩くと楽チン
別荘地を上がると、いよいよ六月田んぼ (10:13)
六月田んぼ~野尻湖
六月田んぼに到着、右奥に見えるのは斑尾山 (10:20)
美しい景色の六月田んぼに到着。
田んぼをぼんやり眺めながら、ノンアルコールビールで小休止をします。
奥には斑尾山や以前歩いた信越トレイルが。
野尻湖までもう一息です。
六月田んぼを眺めながら小休止
日当たりがよく暑いので、薄着になる (10:40)
田んぼの真ん中の用水路
国道18号沿いを歩いていく
六月田んぼをだいたい30分かけて歩きます。
だだっ広い田んぼを振り返ると、黒姫山、戸隠、飯縄山の大パノラマ。
左手には妙高山がくっきりと見えます。
右手は国道18号が通り、道路を渡ればいよいよ野尻湖です。
その前に、野尻湖で発掘されたナウンマウンゾウの像と一緒に写真を撮ります。
車に乗っているとなかなかゾウの近くに行く機会がないので、とても楽しみでした。
ナウンマウンゾウの像と記念撮影、この写真が撮りたかった (11:12)
ついに野尻湖に到着 (11:25)
道路脇の雪の上を歩いてついに野尻湖に到着!
桟橋まで雪がついていたので、先端で記念撮影。
フィンランド式のサウナで有名なゲストハウスLAMPまで歩き「野尻湖バーガー」を食べました。
ここから自宅への帰路の交通機関はないので、タクシーを利用するか、登り返す必要があります。
今回は友人に迎えをお願いしたので、歩いた道を振り返りながら車で帰りました。
サウナで有名なゲストハウスLAMPで、野尻湖バーガーを食べる
標高データ
最初の登り意外はほぼ下りなのがわかる
上記のグラフを見るとわかるように、下りが大部分なのでとても楽でした。
それでいて見どころはたっぷりなので、BCクロカン初心者も安心して歩くことができるルートです。
所要時間は3時間半、歩ける季節は1月半ば~3月上旬というところでしょうか。
スノーハイキングで自分だけの旅を
スノーハイキングの魅力は、夏と違ってどこでも歩ける点です。
自分の行きたいところを繋げてトレイルにするもよし、ただあてもなく散歩するのもよし。雪さえあればすべてが遊び場です。
夏のハイキングでは味わえない魅力が、豪雪地帯にはあります。