ひんやりとした山の空気の中で、お湯を沸かして淹れるコーヒーはたまりません。
私が海外のロングトレイルを歩いていたときは、他の荷物を削ってでもコーヒーセットは持ち歩いていました。
軽量化にこだわるハイカーからは「二番煎じでもいいから飲ませてくれ!」などと言われ、羨望の眼差しを受けたのを覚えています。
この記事では、コーヒーをおいしく飲める、軽量な道具を紹介しています。
コーヒーは贅沢品?必需品?
一泊二日の登山やキャンプでは重さはあまり気になりませんが、5泊を超える長期縦走やロングトレイルとなると、わずかな荷物でも体の疲れに直結します。
一方、山行が長期になればなるほど精神的なストレスも溜まっていきます。
食べたいものが食べられない、インターネットが見られない、など、歩くこと以外できないロングトレイルでは、ストレスの管理も重要です。
コーヒーセット200gの質量増で安らぎを得るのか、
それとも次の街まで我慢するのか、
荷物の総重量と快楽のバランスをうまく取りながら歩くことが大切です。
コーヒーを野外で飲むための道具
粉末コーヒーもありますが、せっかくなら香り高いおいしいコーヒーを楽しみたいので、ドリップできるセットを持っていきます。
- コーヒー豆
- フィルター
- ドリッパー
- カップ
- 鍋
- 火器
- 水
- ゴミ袋
があれば十分です。
もっとこだわりたい方は手で豆を挽けるグラインダーや、バーコレーターを持っていくといいでしょう。
以上の道具をそれぞれ見ていきます。
コーヒー豆
家で挽いたコーヒー豆をジップロックにいれて持ち歩きます。
12gで一杯分のコーヒーを淹れることができますが、私は濃くて苦いコーヒーをたっぷり飲みたいので、20g×日数分を持ち歩いています。
食料の調達が必要なロングトレイルを歩く場合では、スーパーやカフェで豆の量り売り、挽き売りサービスを利用します。
質量:20g×日数分
ドリップパックコーヒーは手軽だが、ゴミが増える
フィルター
HARIO V60用 ペーパーフィルター
コーヒーを濾過するフィルターを日数分持ち歩きます。
コーヒードリッパーによっては繰り返し使えるフィルター付きもありますが、毎回洗うのが面倒なので、ペーパーフィルターを使用しています。
質量:1g×日数分
カップ
EPIシングル チタンマグ
ドリップをする場合は、お湯を沸かす鍋とカップが必要です。
カップを持ち歩かず、一つの鍋で全てを済ますULハイカーが多いですが、コーヒーを飲むならカップは必須です。
オススメはチタン製のシングルマグ。
ドリップ中に冷めてしまったコーヒーも温めなおすことができます。
質量:56g
火器
EVERNEW チタンアルコールストーブ
お湯ができればなんでも構いませんが、私はアルコールストーブを愛用しています。
ガスバーナーのように音がでないため、ゆっくりとコーヒーを嗜むのにぴったりです。
余ったアルコールでコーヒーカップを温めなおします。
質量:34g
合計質量(5日分):約320g+水
火器など、自炊で使うものを除くと約190gでおいしいドリップコーヒーを楽しめます。
たった190gでコーヒーが楽しめる!と考えるのか、
190gも増えるならコーヒーは我慢しようと考えるのか、
ハイカーにとって悩ましい選択です。
贅沢品を持ち運ぶ
ハイカーにとってコーヒーは贅沢品です。
他にもお酒やカメラ、本、音楽、おしゃれ着など、山に持っていきたいものはたくさんあります。
全てを持っていてしまうと体力を浪費してしまい、山や自然を楽しめなくなります。
質量とストレス削減の効果を天秤にかけて、贅沢品を慎重に選ぶ必要があります。
ロングトレイルの準備では、「何を持ち歩くのか」と同じくらい「何を持ち歩かないのか」が大切です。