この記事はロングトレイルや登山で使っているデジタルガジェット(携帯用の電子機器)をまとめた記事です。
登山をはじめた頃とは考えられないくらいガジェット類が増え、山に電子機器を持ち歩く機会も増えました。便利な事が多いデジタルガジェットですが、いつの間にか増えてしまいバックパックの多くを占める様になってしまいました。
この記事では、現在持ち出しているデジタルガジェットの質量がどれほどかを検証し、現在のテクノロジーで一番軽くできる装備は何なのかを調査したいと思います。
嵩むデジタルガジェットの重さ
現時点のデジタルガジェットの重さ1163g!!
スマートフォン関係
【apple】旧iphone SE(spigenのケース込) 139g
【amazon】USB lightning cable 38g
モバイルバッテリー
【cheero】power plus 3 13400mAh 250g
【cheero】USB cable 20g
カメラ、写真関係
【ricoh】GR 250g
【ricoh】GR cable 39g
【wopow】SD read write 17g
ACアダプタ
【anker】2-port USB charger 80g
バックアップ
【Lexar】32gb 5g
音楽プレーヤー
【cowon】plenue d 96g
【final】piano forte 2個 22g
読書用
【amazon】Kindle pepar white 207g
デジタルガジェット合計 1163g
アメリカを半年間かけて歩くトレイル、Continental Devide Trail で持ち運んだデジタルガジェットの質量を量ってみました。思っていたよりも重い。
衣類を含んだ総重量が6kg程度ですから、6分の1は電子機器で締めている計算になります。
小型で便利だと思って詰め込んでいたものが、改めて計算すると1.2キロもありました。
どうしてこうなってしまったのか、個別に見ていくことにします。
いつの間にか増殖するデジタルガジェット
GPSやその他いろいろな役割を果たすスマートフォン
今や登山では欠かせない装備となっているスマートフォンですが、ここ数年でGPSの精度が向上し、地図アプリが発達したため、もはや紙の地図は要らなくなりつつあります。不慣れな地図とコンパスを使うよりも、GPSで自分の場所を特定したほうが、道迷いの可能性も減ります。
他にも
・メモ代わりのフォト機能
・翻訳
・日記帳
・インターネットでリサーチ
など電子機器に求める全ての機能が含まれています。
使用機器:【apple】旧iphone SE(spigenのケース込) 139g
選択基準:小さくて軽い、故障のリスクが低い、現地で買い直せる
Iphoneの中で最も小さい旧IphoneSEを持ち歩きました。海外のネットワークには繋げず、全てWifiのみで運用しています。一度も動作が不安定になることもなく、頼れる電子機器です。画面が小さいので、読書や本格的なリサーチにはあまり向きません。
GPS機能はIphoneに集約、専用端末に比べると精度はいまいちだが使い勝手がいい
wifiのパスワードは高確率で聞き取れないため、フォト機能をメモとして活用
デジタルカメラで旅を詳細に記録
せっかくロングトレイルに行くのだからできるだけ高画質で旅を記録したいと思い、いつもデジタルカメラを持ち歩いています。一眼レフを持ち歩いているハイカーもよく見かけます。GOPROは電池の管理が結構たいへんらしいです。
使用機器:【ricoh】GR 250g
選択基準:スマートフォンより高画質(センサーサイズが大きい)、ズボンのポケットに入る、起動が早い
スナップショットに定評のあるGRを持ち歩いています。GR4も使っていましたが、先代に比べセンサーサイズが大きくなり、解像度も上がりました。充電に専用のケーブルを持たないといけないため、その分質量もかさみます。最新のGRⅢはUSBtypeCで充電できるようなので、typeCとlightningの変換アダプタを利用すれば、ケーブルは一本で済みそうです。
いつもズボンの右ポケットに入れておいて、すぐに撮影できるようにしていた
頭を悩ませるバッテリー問題
スマートフォンやその他の電子機器をトレイル上で充電するために、モバイルバッテリーは欠かせません。もはやスマートフォンの次に大切な電子機器であると言っても過言ではないでしょう。
ソーラーチャージャーという選択肢もあります。バックパックに取り付けて充電しているハイカーを稀に見かけましたが、扱いがデリケートな上、質量の割に機能が充分ではないと感じています。
他にも、バッテリーの取り外しができるスマートフォンを使い、バッテリーを2個使いまわすハイカーもいました。確かに軽くはなりますが、少々面倒くさそうでした。
使用機器:【cheero】power plus 3 13400mAh 250g
選択基準:出力端子が2ポート、iphoneを最低3回は充電できる容量
電子機器をたくさん持ち歩くために出力端子は2つ欲しいです。生命線なので多少値が張ったとしても安心なものを持ち運ぶようにしています。
毎回充電が余るので、もう少し小さくてもいいかもしれない
ソーラーチャージャーは買ったもののほぼ使っていない
意外とかさばるACアダプタとケーブル
ドミトリーやホステルに泊まると、AC電源の奪い合いになることがあります。そのため一つの電源から複数充電できるアダプタを選んでいます。短期間で一気に充電したいところです。
ケーブル類は合計すると意外に質量があります。できれば出力端子の種類を揃えて、ケーブル1本で済ませたいものですが、なかなかうまくは行きません。lightningとmicroUSBの変換アダプタを使っていたことがありましたが、すぐにグラグラして充電ができなくなってしまいました。
このケーブルも生命線なので、断線に常に気を使う必要があります。寝袋やバックパックに入れながら充電していると、いつの間にか断線しています。
ベットで寝転びながらスマホをするのが好きな人は、長めのケーブルを持ち歩いたほうが良さそうです。
使用機器:
【anker】2-port USB charger 80g
【ricoh】GR cable(デジカメ用ケーブル) 39g
【amazon】USB lightning cable(iphone用ケーブル) 38g
【cheero】USB cable(kindle、音楽プレーヤー用ケーブル) 20g
選択基準:コンセント部分が収納できる、高速充電に対応、出力端子の形が同じ、2ポート以上の出力でコンセントを独占しない
microUSBとlightningとデジカメの端子があるためケーブルを3つ持ち歩かなければならない
音楽プレーヤーとイヤホン
トレイルで音楽を聴くことに賛否はあるとは思いますが、私は常に持ち歩いています。退屈な砂漠や疲れたときに音楽やポッドキャストを聴くとやる気が出ます。
イヤホンは無線が主流になりましたが、電池の消費が激しいので有線のものを使っています。耳にねじ込むカナル式だと、周囲の音が聞こえないため、耳に軽く乗せるオープンイヤー式のイヤホンを片耳だけしています。
使用機器:
【cowon】plenue d 96g
【final】piano forte 2個 22g
選択基準:バッテリーの持ちが良い、microSDで容量を増設できる、周りの音が聞き取れる
cowonのプレーヤーは驚くほど電池持ちがいいので、最新機種が出るたびに買っています。外付けのmicroSDも入るため128GB+本体容量32GBに音楽とPODCASTを詰め込んで歩きました。半年のロングトレイルだと全部聞き終えてしまいます。
左はUSB充電対応のラジオ、真ん中は一日中聴いても丸4日充電がもつ最強のプレイヤー
嗜好品としての価値だけではない読書端末
1日の終りや、歩かない日のために読書端末を持ち歩きました。スマホの電池が切れてもこれがあれば退屈がしのげます。
PCTやCDTのガイドブックもあるので、見ながら歩くこともできます。PDFビューアにもなるので、PCTを歩いた際は地図のバックアップを端末の中に入れていました。
使用機器:【amazon】Kindle pepar white 207g
選択基準:海外でも書籍がダウンロードできる、暗闇の中でも読める
近頃 pepar whiteが防水になったようで買い替えを検討しています。なくても困らないですが、夜読んだ本の内容を反芻しながらトレイルを歩くのが好きでした。
目が疲れにくいバックライトなので、休みの日に一日中読書することができる
バックアップとリスク回避
写真のデータやパスポートのコピーなど、万が一スマホやカメラをなくしてしまったとしても平気なように備えておく必要があります。一箇所だけにコピーをしておくだけだと心配なので、近頃はクラウド上にアップするようにしています。
バックアップと同様に、電子機器は常に故障のリスクと隣り合わせです。スマホが急に動かなくなったら地図が使えず、山の中で行動不能になってしまいます。ケーブルが断線したりACアダプタをなくしてしまったらどうするか、常に気を配る必要があります。
大抵の場合は街に降りて買い直したり、他のハイカーを頼ることもできますが、まずは自分で解決できるようにしたいところです。
使用機器:
【wopow】SD read write 17g
【SanDisk】SDカード 1g
【Lexar】USBメモリ 32gb 5g
選択基準:一つ壊れても別の方法で復元できる、ネットワーク上に保存できる
SDカードのデータをスマホに転送できるリーダーは持っていると大変便利。バックアップにも使えますし、撮った写真を各種SNSに投稿することができます。デジカメのGRにはwifi機能がついていないので重宝します。
写真のデータはicloud、SD、USBの3つに保存
現時点でできる最軽量デジタルガジェット
現在のデジタルギアの質量は約1.2キロ程度ですが、最新のデバイスに入れ替えたらどうなるでしょうか。
紛失のリスクやバックアップの利便性を考えると、現時点では
【apple】Iphone12 162g (メインスマホ)
【楽天】rakuten mini 79g ←紙の地図を持たなくてもいいように、サブスマホを持ち歩く
【ANKER】Anker PowerCore Fusion 5000 189g (AC電源と一体型のモバイルバッテリー)
【ANKER】PowerLine II 3-in-1 ケーブル 40g (3つの端子が使えるUSBコード) ×2
合計 510g
写真も本も音楽もすべてIphoneでなんとか済ませる方法ですが、最新のIphoneならなんとかなるのではないかと期待を抱いています。Iphone12の中古の値段が手頃になったらぜひ切り替えたいです。
画質や音質に特別なこだわりがなければ、スマートフォンだけで充分
重さと利便性との兼ね合い
デジタルガジェットは大量の音楽や本を軽々持ち歩くことができたり地図の代わりになったりと、利用するときっと旅は豊かになります。ただたくさん持ちすぎてしまうとバックパックの中身が金属だらけになってしまうので要注意です。
デジタルガジェットとの付き合い方
デジタルガジェットの進化により、旅がより手軽に身近になりました。ただ、デジタルガジェットにばかり頼ってしまうと、ロングトレイルの醍醐味「自分の知恵を使って困難を乗り越える」面白さが減ってしまう可能性もあります。また、電子機器の故障により行動不能に陥ってしまう可能性もあります。リスクを認識し、うまくデジタルガジェットと付き合っていきたいものです。