バックカントリースキーを始めるにあたって、必要な道具は山程あります。
ビーコン、ゾンデ、スノーショベルを始め、ツアービンディングやクライミングサポート、ヘルメットなど、費用と道具の知識が不可欠です。
その中でもバックカントリースキーの基本の道具が、クライミングスキン(スキーシール)です。
ただし、シールは選ぶのも一苦労。
沢山の種類があり値段も高く、これから買おうと思っている人にとってはやや敷居が高いです。
ですが、一度買ってしまったら冬山の行動範囲が一気に広がります。
今までスノーシューを使っていた人は、行動範囲が2倍以上に広がるでしょう。
この記事では、スキー用シールの最低限の知識を紹介しています。
シールにまつわるトラブル集
シールをカットして実際に使ってみると、予期せぬトラブルが発生します。
トラブルは命の危険に直結するため、最初は難易度の低いルートを選び、シールの様子を見ます。
- スキー板のサイズに合っていない
スキー板の幅よりも小さいシールを使うと、ズリズリと滑り落ちてしまいます。
登坂力は安物のスノーシュー以下になり、山の中でスキー板を捨てて帰りたくなります。
ショップの見切り品で、幅の細いシールを安く買うのは絶対に避けましょう。
シールだけはサイズのあったものを買わないと、山の中で地獄を見ます。
- テールフックが外れる
ツインチップの板でなくともテールフックが外れることがあります。
板とシールの間に雪が入ったり、スキー板がぶつかった衝撃でいつの間にか外れていることもあります。
もし頻繁に外れる場合は、張り流しに変更するか、G3のツインチップコネクタを使います。
- 粘着力の低下
使っているうちにホコリやゴミが付着して、粘着力が低下します。
使い終わったらきちんと乾燥させて、粘着力が落ちてきたらグルーの張替えをします。
- シールに雪がつく
湿った雪の場合、シールに雪がくっつきます。歩くたびに雪が団子状にかたまり、まともに歩けません。
諦めてツボ足で歩くか、事前にシール用の撥水スプレーをかけておきます。
- チートシートが風に飛ばされる
糊面を保護するチートシートは、暴風雪のなかでなくしがちです。
シール同士を貼り付けて持ち運べるものが、撤収も早くおすすめです。