装備を軽量化するにあたり、宿泊道具の見直しは不可欠です。
特に自立式のドームテントから、タープや非自立式シェルターに入れ替えることによって、1kg程度なら簡単に軽量化できます。
しかし自立式テントはペグがなくても立ち上げることができますが、非自立式はペグがないと立ち上げることすらできません。(石や木を使うこともできますが、面倒です。)
ペグの種類も、あらかじめテントに付属している廉価なものから、高級なカーボン製のものまで様々で、迷ってしまう方も多いと思います。
この記事はタープや非自立式テントに合うペグを比較する記事です。
実際に使ってみた経験から、どのペグがいいのかを探っていきます。
タープや非自立式テントにはペグは必需品
今まで使ってきたペグ
登山装備の中でもペグは消耗品です。つかっているうちに折れ曲がってしまったり、なくしてしまうためです。その都度新しいものを試してきました。
数々のペグを買って、使って、なくしてきた
ペグを選ぶ基準
7種類のペグを以下の観点から評価します。
打ちやすさ
フカフカの土なら靴の底で踏み込めばペグは入ります。しかし、固い土の上しかテントを張る場所がない場合もあります。
その時は石でペグを打ちつけるのですが、ペグの頭の形状により打ちにくいものもあります。
ペグの頭があまりに細いと、石で手を怪我してしまうこともあるので注意が必要です。
入りやすさ
石で打ちやすくても、土に入りにくいペグもあります。逆に細いペグなどは、石で打ち込むことはできませんが、手でスルッと地面に入ります。
保持力
テントを吹き上げるような風が吹いた時や、地面が柔らかい時にペグが抜けてしまうことがあります。簡単に抜けてしまうペグの場合、安心して眠ることができません。
ツルツルした筒状は抜けやすく、形状により保持力が異なります。
抜きやすさ
あまりに保持力が高いペグだと撤収の時になかなか抜けません。
ペグの頭に細引きがついていて、手で引っ張れば簡単に抜けるものもあります。ペグが抜けなくなってしまった場合は、別のペグを支えにして引き抜きます。
土のつきにくさ
ペグの形状によっては土がべったりついてしまうものもあります。バックパック内を汚してしまったり、次に使うときに手が汚れてしまうので、土が付着しにくいものがベストです。
耐久性
軽すぎてすぐに曲がってしまったり壊れてしまうペグでは安心できません。
一般的にアルミ製は耐久性が高く、力がかかったときにポッキリ折れることなく曲がるだけで済みます。
チタン製はとても軽量で強度はそこそこです。
カーボンは横からの力に弱く、力が加わるとポッキリ折れることがあります。
↓おすすめ順にペグを紹介していきます↓
素材と形によって打ちやすさや抜きやすさが変わる
先端の形状も重要 土の残りやすさも注意したいところ
【MSR】ミニグランドホグステイク
質量 10g
全長 150mm
価格 440円
Y字型ペグなのでとても強度が高く、保持力も抜群。抜きやすさも完璧です。土が付きやすいのがやや残念。
値段も手頃なので、全てこのペグにしてもいいほどです。
打ちやすさ ☆☆☆☆
入りやすさ ☆☆☆☆
保持力 ☆☆☆☆
抜きやすさ ☆☆☆☆
土のつきにくさ ☆
耐久性 ☆☆☆☆☆
形がY字で保持力、耐久性ともに高い
【LOCUS GEAR】Easton Nano Blue 6″
質量 8g
全長 169mm
価格 378円
ブルーの本体にイエローの細引きがついていてスタイリッシュなペグです。素材はアルミ製ですが、中身は空洞のため耐久性にやや難があります。ヘッドの部分は固いですが、棒の部分が凹むことがあります。
打ちやすさ ☆☆☆☆
入りやすさ ☆☆☆
保持力 ☆☆☆
抜きやすさ ☆☆☆☆
土のつきにくさ ☆
耐久性 ☆☆☆
【vargo】チタニウムテントステイク
質量 6g
全長 165mm
価格 605円
ピンペグと呼ばれる細いペグです。
メインの支柱となるペグというより、サブとして使うペグになります。細くて一見華奢ですが、丁寧に使えばそこまで耐久性が低いわけではありません。
打ちやすさ ☆
入りやすさ ☆☆☆☆☆
保持力 ☆
抜きやすさ ☆☆☆☆☆
土のつきにくさ ☆☆☆☆☆
耐久性 ☆☆☆
【MSR】ニードルステイク
質量 9.6g
全長 175mm
価格 308円
安くて耐久性の高いニードルペグです。頭の部分に細引きがついていないので抜くときに手が痛くなります。抜きにくささえ我慢すればメインになれるペグです。
打ちやすさ ☆☆
入りやすさ ☆☆☆☆
保持力 ☆☆☆
抜きやすさ ☆
土のつきにくさ ☆☆☆☆
耐久性 ☆☆☆☆☆
【MSR】カーボンコアステイク
質量 5.75g
全長 150mm
価格 1100円
カーボンの支柱の周りにアルミでコーティングしたハイブリット高級ペグです。
このペグが登場したあと瞬く間に話題になり、このペグこそが最強という雰囲気が漂っていました。
私も愛用していましたが、三ヶ月ほど使ったあと一気に耐久性が落ち、ポッキリ折れたり頭のプラスチック部分が割れたりして、全て壊れてしまいました。それ以来使うのは控えています。
1本1000円と超高級品なので、乱暴に扱う気が薄れます。丁寧に扱えば素晴らしいペグです。
打ちやすさ ☆☆☆☆☆
入りやすさ ☆☆☆☆
保持力 ☆☆☆☆
抜きやすさ ☆☆☆☆
土のつきにくさ ☆☆☆☆
耐久性 ☆
【VARGO】 チタニウムアッセント
質量 6g
全長 158mm
価格 605円
幅広のV字ペグで見るからに華奢です。雪の中でテント泊するときに幅の広さが役立つようですが、通常使用には耐えられません。石で一発打ち付けただけでお釈迦になりました。
打ちやすさ ☆
入りやすさ ☆
保持力 ☆
抜きやすさ ☆
土のつきにくさ ☆
耐久性 ☆
【アライテント】ジュラルミンペグ
質量 15g
全長 160mm
価格 132円
自立式テントを購入した際に付属してきたペグです。見た目に特別感がないので使う気にはなれませんが、値段も安く、耐久性もあるため、ペグをなくしやすい人にはいいのではないでしょうか。
打ちやすさ ☆☆☆
入りやすさ ☆☆☆
保持力 ☆☆☆☆
抜きやすさ ☆☆☆
土のつきにくさ ☆
耐久性 ☆☆☆☆
最強のペグセットはこれだ!
ペグを差し込む場所によって、ペグ本体との相性があります。そこで導き出した結論がこちら!
【MSR】ミニグランドホグステイク 2本
【LOCUS GEAR】Easton Nano Blue 6″ 4本
【vargo】チタニウムテントステイク 2本
質量計 64g 価格¥3,602
一番負荷のかかるタープの立ち上げ用に強度の高いミニグランドホグステイクを2本。
次に負荷がかかるタープ本体の固定に、値段と耐久性のバランスの優れたEaston Nano Blue 6″を4本。
あってもなくても大差のない補助用に、軽量なチタニウムテントステイクを2本選びました。
合計8本、不安であれば予備にあと2本追加すれば、最強のペグセットが完成です。
場所によってペグの種類をかえる
ペグの袋はなくしやすいので、目立つ色のほうがいい(緑はダメ)
なくさないためにどうするか
ペグは壊れる前になくしてしまう可能性が高いです。なくすと寝床の準備に余計な時間がかかってしまうので、数を数えたり、場所を決めたり、なくさない工夫をすることが大切です。
なくしたときにどうするか
もしもペグの袋ごとなくしてしまった場合にどうするか。木や石を使って建てられるのも、タープのいいところです。
なくしてもなんとか寝床を確保できるように、事前に事態を想定しておければ安心です。