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テント泊初心者「10万円以下」でUL装備をそろえる

テント泊デビューに向けて宿泊用具を一式で揃えるとなると、だいたい10万円はかかるとアウトドアショップでは言われます。

私も昔テント泊を始めるときに、テント4.5万円、寝袋3万円、マット1万円、、と膨れ上がる出費に狼狽したのをよく覚えています。更に軽ければ軽いほど価格も高くなります。

一般的な登山用具から少しずつ、軽い“ウルトラライト“な道具に入れ替えていきましたが、最初からウルトラライトな装備で揃えたらかなり安上がりだったなと今では思います。

更に、ロングトレイルを歩くことによって、一般的な登山用品がいかに贅沢な機能がついているかを実感しました。

この記事はこれからテント泊を始める人が、UL装備を10万以下で揃えるには何を選べばいいかを紹介した記事です。

テント泊はお金もかかるし、重くて大変そう、、と敬遠されている方、UL装備で軽快にテント泊をしてみませんか?

今はなき奥多摩小屋の野営場へ1泊する想定

選定の基準

合計10万円以下の商品を選ぶにあたって、選定の基準を紹介します。

登山で使うことができる

キャンプ向けの商品で安い商品も出ていますが、今回選ぶのは登山向けの商品です。キャンプ場であれば例え壊れてしまってもなんとか凌ぐことはできますが、登山ではそうはいきません。一つの道具の故障が命取りになる場合もあります。誰の助けも借りずに山の中で野営できる装備を選定しました。

買い直さずに済む

安いものを選ぼうとするのならそれこそ選択肢は無限にあります。しかし一回使っただけで壊れてしまうものはその都度買い直さなくてはならず、逆にコストが嵩んでしまいます。安くても長く使える、修理すればずっと使える品質のものを選んでいます。

また、登山用品の開発や最新軽量生地の開発は日夜行われており、進化し続けています。しかし、目新しい商品が登場したとしても、やっぱりこれがいいと思えるものを選んでいます 。

夏の雲取山一泊(今はなき奥多摩小屋の野営場)で使える

今回の装備は、夏の雲取山(東京唯一の2000m峰)の奥多摩小屋の野営場(今はキャンプできない)で一泊を過ごせる装備を選びました。登山用具、特に宿泊用品は、シーズンによって使う装備や値段も全く違うので注意が必要です。

注意点

送料は含んでいない

選んだ製品の中では海外から輸入する必要があるものもありますが、送料は含んでいません。場合によっては日本のものを選んだほうが割安になる場合もあります。

着るもの、食料、水分、燃料は含んでいない

登山靴や帽子、食料は入れていません。ワークマンやユニクロで済まそうと思えば安く済みますし、手持ちのジャージでも素材にさえ気を使えば全く問題ありません。

料金は公式ホームページのものを記載(税込み)

表示価格は公式ホームページのものを記載しています。他の通販サイトを介せばあと1万円くらいは安くなるかもしれません。

「10万円以下」で揃えるテント泊向け装備表

合計 94,078円

なんとか10万円をきることができました。後は衣類と登山靴ですが、家にあるポリエステル素材の服を着て、ランニングシューズを履けば十分です。

質量2.5キロもなかなか軽量です。一般的なテントや寝袋を選んでいたら5キロは軽く超えていたでしょう。以下はカテゴリ別に特筆すべきものを見ていきます。

バックパック

質量 645g
合計 19,000円 

【gossamergear】G4-20 Ultralight 42 Backpack 615g 約19,000円 ※送料除く

とてもシンプルで、クラシカルなウルトラライトバックパックの真髄を触れることができます。2014年にスルーハイクしたPCT(アメリカの4000kmのトレイル)では、「安いから」という理由で使いましたが、耐久性、使い勝手など申し分ありませんでした。

現在は形や素材がアップデートされて更に使いやすくなった模様です。

値段はやや高いですが、長く使えます。

容量は大きいですが、今後を見据えて少々 大きめのものを選びました。

グレードアップするなら

【mountainlaureldesigns】CORE 25L 250g 約11,000円 ※送料除く

【zpacks】Nero 38L ROBIC®️ Backpack 328g 約20,000円 ※送料除く

【raw-way】The Ray-Way Backpack kit 270g 約10,000円 ※送料除く

写真は古いG4
手作りバックパック 時間に余裕があれば手作りするのが最も安上がりだ

宿泊用品

質量 1090g
合計 54,310円 

【finetrack】ツェルトⅡロング 340g 24,200円

一般的な山岳テントは4万円以上しますが、このツェルトにすると2万4000円で済みます。安い分山岳テントに比べて劣るところもあるかと思いきや、全くそんなことはなく、むしろこちらの方が優れていると私は感じています。

このツェルトのいいところは、いろいろな張り方や状況に対応する汎用性です。

寒い日にはチャックを全部閉めてテント風に。蒸し暑い雨の日には布を大きく広げてタープのようにも使えます。虫が多くてもチャックを閉めれば蚊帳を使わなくて済みます。

耐風性や耐久性に心配がありそうに見えますが、木を使ってツェルトを立ち上げれば、強風にも耐えることができます。

設営はやや面倒くさいですが、テントスタイルだとペグを四箇所打ってメインの細引きを木に結ぶだけでOK。

【THERMAREST】リッジレストSサイズ

寝袋の下に敷くマットには、エアーマット(空気を入れて膨らませるもの)とクローズドセル(銀マットのようなもの)の2種類に分かれます。

エアーマットは寝心地はいいですが高価なため、今回はクローズドセルの中でも割と寝心地がいいものを選びました。

あまりにもぺラペラなマットは寝ることはできますがフローリングの上で寝ているような寝心地なのであまりお勧めはしません。

グレードアップするなら

gossamergearThe one 503g 約31,000円 ※送料除く

【zpacks】Plexamid Tent 433g 約57,000円 ※送料除く

周りに木がないときは、太い枝かトレッキングポールを使う
ツェルトのタープ張りは他のテントの中でも濡れに強い
リッジレストSは短いが、工夫次第で寝ることができる

レインウェア

質量 145g
合計 8,800円 

【sea to summit】ウルトラシルナノポンチョ 145g 8,800円

値段優先で選ぶならポンチョをお勧めします。

日本でも体を濡らさずに歩くことができる上、ポンチョならではのメリットもあります。ポンチョは下半身が空いているため、下から蒸れた空気が抜けていくため不快な気分になりにくいです。

安いレインウェアは一般的に分厚く蒸れてしまうので、標高があまり高くない樹林帯が多い場所ではポンチョが正解でしょう。

グレードアップするなら

【mont-bell】versalite jacket 134g 16,060円

mont-bell】versalite pants 94g 10,450円

風が強いと煽られるので、森林限界以上は向かない

クッキング

質量 179g
合計 8,690円 

【evernew】チタン カップ 760FD 69g 3,410円

調理用の鍋にはチタン製のものとアルミニウム製のものがあります。家で使っている片手鍋を背負って行っても全く問題ないのですが、これからずっと使うのであれば、チタン製の方が軽くていいと思います。

チタン製の「鍋」を買おうとすると値段が高いですが、チタン製の「コップ」で容量の大きいものを買えば出費を抑えることができます。もちろん問題なく調理することができます。

火器は値段の観点からアルコールストーブを選んでいます。チタン製の高いものを使う理由は、以下のリンクをご覧ください。

その他登山用品・日用品

家にあるものですべて代用可

登山にはまると、収納袋や便利グッズなど、ついつい買ってしまいます。しかし実際に重さをはかってみると、登山用品店で買うものよりも安くて軽いものが日常生活にはたくさんあります。

非日常である山の世界に日用品を持ち込みたくない気持ちもありますし、無駄な高級グッズを買う快感もわかりますが、そこはグッと我慢して、少しいい食材や飲み物を運んだ方が全体として満足度は高いです。

ものを持ちすぎないことが、軽量化の面でも経済面でも1番いい方法です。

安くても山で通用する道具を見極める

テント泊が初めての場合、不安で色々と道具を買ってしまうこともあります。しかし、最初はお金をかけずに最低限のものを用意して、たくさん山に出かければ、自然と必要な道具、不要な道具が見つかります。

値段が高い≠いい道具

登山道具の世界もブランド志向の面が多分にあります。このブランドのものは高いから性能は間違いない、と勘違いしてしまうこともあります。

ですが蓋を開けてみると、高いものと安いものでどちらも同じ素材を使っていたり、同じ工場で作っていたりすることもあります。

値段が高くて色々な機能が備わっている便利なモノよりも、安くて色々な場面で使えることが、環境にとっても懐にとっても優しいでしょう。

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