海外のロングトレイルを歩いたことがある人なら誰もが「日本も踏破するのに半年以上かかるロングトレイルができたらな」と思ったことがあると思います。
今でこそロングトレイルが注目され、数々のトレイルが日本で整備されるようになりました。しかし、そのどれもが大体5日程度で終わってしまうトレイルです。歩き慣れた猛者たちは、半月くらい歩かないとロングトレイルを歩いている気分にはならないでしょう。とにかく全然ロングじゃない。
私はアメリカを縦断している最中はいつも、「もし日本に長いトレイルがあったら、歩き好きの外国人はきっと気に入るに違いない」「日本の自然や文化は、他の国に比べても遜色ないどころか大きな資産だ」と考えていました。
GPSを使って自分オリジナルのルートを作れるようになった今、「日本を縦断する半年クラスのトレイルを作って、自分で踏破することも不可能ではない！」と思い立ち、計画、実行してみました。
この記事は「日本を縦断するロングトレイルの可能性を模索する」内容です。ハードコアなハイカーだけでなく、何か大きな挑戦がしたい人や歩き旅に興味がある人に読んで楽しんでいただけたらと思います。
そしていつの日か、日本にも世界に誇れるトレイルカルチャーが育まれていけばいいなと思い、記事にしました。
世界中にはたくさんのロングトレイルがあり、全国各地から訪れる
アメリカには4000kmを超えるトレイルがいくつもある
トレイルに求める条件
日本を縦断するロングトレイルを計画するにあたり、私が感じる「どんなトレイルなら歩きたいと思うのか」を考えてみました。
条件1 : 山の中を歩くこと
トレイル歩きは非日常であり、生活感を感じられる車道歩きは極力避けたいです。ただ歩くだけではなく、自然や孤独を感じて歩くことが旅の醍醐味です。そして、非日常のはずのトレイルが、日常になっていく過程こそが、ロングトレイルの面白さだと感じています。
条件2 : 見せたい景色があること
日本のトレイルは草木が生い茂り整備が難しいため、「歩きたいところをトレイルにする」のではなく「歩けるところをトレイルにする」といった考えで整備されています。そのため、せっかく近くに景勝地があるのになぜ迂回する⁉︎といった道がよくあります。今回は自分でルートを設定するので、なるべく面白そうなものがあるルートを選びました。
条件3 : 誰にとっても歩きやすいこと
特別な技術や体力の持ち主だけではなく、誰もが時間さえかければ歩ける、体に負担がかからないトレイルが、後世に残るトレイルだと思います。
平坦な道なのはいいが、車道歩きばかりはつまらない
日本のならではの自然を味わえる 尾瀬にて
なるべく体に負担をかけずに歩ける道 アメリカのトレイル
トレイルの作り方
※このトレイルは2015年に思いつき計画、実行に移したものです。データが古いものも混じっています。
既存のトレイルを使う
日本には5日間程度で歩ける整備されたロングではないトレイルが沢山あります。せっかく整備されて地図も用意されているので、それらを使います。GPSのデータはヤマレコに上がっているものを利用しました。（2015年に上がっていたデータ）
カシミール３Dを使用
既存のトレイルとトレイルを繋ぐ接続のルートは、自分で地図を見ながら自力でポチポチ入力していきました。その際に使ったソフトは「カシミール3D」というものです。なるべく車道を歩かず、ヤマレコや山と高原地図で山道や林道になっているルートを選んでいます。
完成したデータを元に食料の補給地や給水地をgoogleマップで調べリスト化しました。大変な労力でした。
カシミール3Dで作ったデータをGPS機器に入れて持ち歩く
完成したトレイル
海外の人に日本を紹介するつもりで有名どころを盛り込んだ
拡大して遊んでみてください 要望があればGPXデータも差し上げます
トレイルデータ
全長 5026km（3123mile）
- 九州 531km
- 四国 513km
- 和歌山～日本アルプス起点 962km
- 日本アルプス 400km
- 日本アルプス～相馬675km
- みちのく潮風トレイル 1025km
- 八戸～青森 133km
- 北海道 787km
歩き方（約7ヶ月間)
- 4月頭にスタート
- 梅雨が終わる7月後半に日本アルプスを縦走
- 9月までに本州を踏破
- 雪が降る前にゴール
標高は以下のデータを参照（カシミール3Dで作成）
主なトレイルの紹介
実行編に続く
計画編は以上です。アメリカのロングトレイルPCTを歩き終えて、暇だった2015年に計画を実行に移しました。実行編はまた後日公開します。お楽しみに。
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