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テレマークビンディングの選び方

今年は昨年に比べて雪が多く嬉しい限りです。

家の中で自粛しているのもつまらないので、せっかくだからウインタースポーツを始めたいと思う方も多いのではないでしょうか。

スノーボードやスノースクートもいいですが、山の中を自由に歩き回れるテレマークスキーがおすすめです。

テレマークスキーとは、山を自由に歩き、滑るためのスキーです。

アルペンスキーと異なりかかとが固定されていないスキーで、ゲレンデの隅でこっそり練習しているのを見たことがある人は多いと思います。

今回は、テレマークスキーを始めるにあたって悩みどころであるビンディングについてをまとめた記事です。

静寂の雪原をスキーで楽しむ

テレマークビンディングの種類

それぞれ滑り心地が違う

ビンディングは大きく分けて三種類

テレマークビンディングは大きく分けて3種類あります。

新しいものから

NTNビンディング

・75mmNormビンディング

・3PINビンディング

の三種類で、それぞれ滑り心地や見た目、値段が異なります。

簡単にまとめると

アルペンスキーのようにスピードを出して滑りたい→NTN

滑りもテレマーク特有の不安定さも楽しみたい→75mmNorm

山歩き重視でシンプルに楽しみたい→3PIN

と言えます。

滑走重視のものは力強いすべりが可能です。

逆に歩き重視のものは、不安定感が強くなり、滑るのが大変になります。

テレマークにハマってくると、不安定な道具を使って滑るのが快感になり始めます。

今後はNTNが主流になっていくが、とりあえず始めるなら75mmがおすすめ

主流は75mmNorm

NTNへ移行する人も増えましたが、まだまだ主流は75mmNormです。

ヤフーオークションにも比較的安価で出品されていることが多いため、とりあえず始めてみたい方には75mmNormをおすすめします。

以下からは75mmNormと3PINのビンディングの細かい違いを紹介します。(※筆者がNTNビンディングを所有していないため)

メーカーによる違い

75mmNormの中にもたくさん種類があり、それぞれメーカーによって滑り心地や仕組みが異なります。

簡単にまとめると、乗り心地が固い順から

Rottefella > 22Designs > BlackDiamond > G3

となります。

高速で滑走を楽しんだり、ファットスキーに取り付けるのなら固いビンディング

山歩きを穏やかに楽しんだり、細い板に取り付けるなら柔らかいビンディング

が適しています。

その他のメーカー

上記のメーカー以外にもテレマークビンディングを作っている会社がありますが、私は使ったことがないので、比較はできません。

  • VOILE(ボレー)- スイッチバックという種類が有名。軽くてG3より固いらしい。
  • BISHOP(ビショップ)- 10万円くらいするが、見た目がゴツくてかっこいい。
  • 7tm(セブンティーエム) – ヤフオクでたまに見かける。壊れやすいとの噂。

以下からは、代表的なモデルを簡単に紹介していきます。

右に行くほど滑るのが難しくなり、歩くのが楽になる

22Designs(22デザイン)

Made in USAのビンディングで見た目がかっこいい。NTNのビンディングも販売している。名品ハンマーヘッドは廃盤になったが、現在はアクセル、ヴァイスというビンディングを販売している。

乗り心地は硬めだが、なめらかなバネの引き具合がちょうどいい。

VICE(ヴァイス)

重量: 1450g

値段: 約35000円

特徴: とても頑丈で壊れない。硬さもちょうどよく、ファットスキーにつけるのに丁度いい。おすすめ。

Hammerhead(ハンマーヘッド)

重量:1390g

値段:廃盤

特徴 : シンプルで無骨。乗り心地もいい。廃盤になってしまったが根強いファンが多く、ヤフオクでも高値で取引されている。マニアは予備に何個も持っている。安く出品されているのを見たら迷わず入札したほうがいい。

Rottefella(ロッテフェラー)

ノルディックスキーの本場、ノルウェーでビンディングを開発している。ノルディックスキーからテレマーク、NTNまであらゆるものを備える。テレマークに関しては乗り心地は硬め、質量も重めだがヤフオクで安価に取引されているので、手に入れやすい。

cobra R4(コブラR4)

重量:1700g

値段:約25000円

特徴 : ソフトケーブルを使用しているのでしなやかな滑り心地。ロッテフェラーのベストセラーモデル。質量が重いのが難点。後ろ向きで滑ったり、回転、ジャンプ、コブなどにも耐えうる跳ね返りがあるため、フリースタイル用の板に取り付けると面白い。

cobra R8(コブラR8)

重量:1750g

値段:約22000円

特徴 : ハードワイヤーを使用しているため、かなり固い。私はこのビンディングで滑っている最中に転んで骨折したことがあるので、あまり好みではない。ヤフオクで安価で取引されている。

BlackDiamond(ブラックダイヤモンド)※ビンディング事業から撤退

かつてはBlackDiamondもビンディングを作っていたが、何年か前に撤退してしまった。足の下にバネがあるタイプのO1、O2、O3が代表作。乗り心地は他のメーカーに比べてちょうど中間にあたる。

O2(オーツー)

重量:1280g

値段:廃盤

特徴 : 丁度いい硬さと跳ね返りで、足の力がダイレクトに板に伝わる感じがある。01は歩行モードのある上位モデルで、O3が下位モデル。使ってくるうちにバネが緩んでくるのが難点。

リーバ Zcomp(ゼットコンプ)

重量:不明

値段:廃盤

特徴 : ロッテフェラーのR4とチリにそっくりなため、おそらくOEMだと思われる。革靴のテレマークブーツにも使える柔らかさ。

G3(ジースリー)

カナダでデザインされる道具はバックカントリースキーヤーから愛されるブランド。今は珍しいウロコのついた板や登攀用のシールなど、バックカントリースキーに関するものを数多くラインナップしている。75mmNormはタルガというモデルが生産されていて、スキーショップで相談するとたいていタルガを勧められる。滑り心地はかなり柔らかく、歩き重視のため、タルガを最初に使うのはあまりおすすめしない。

Targa(タルガ)

重量:1176g

値段:約25000円

特徴 : タルガと歩行モード付きのタルガアッセントがある。カードリッジを選ぶことで滑り心地を変えることができるが、基本的にどれも柔らかめで安定はしない。軽量で柔らかいため歩き重視。

3PINビンディング

テレマークブーツの靴底にある3つの穴に、ピンを刺して挟み込んで固定するビンディング。つま先だけで固定されているためかなり不安定だが、練習すると深雪も滑れるようになる。

質量が軽いため、一度軽快感を味わったら重いビンディングには戻れない。

Rottefella Super Telemark(スーパーテレマーク)

重量:340g

値段:約12000円

特徴無駄なものが一切ないシンプルな構造。革靴のテレマークブーツにピッタリ。滑るのが難しいが、テレマークの基本ができていればこんなにラクに滑れる道具はない。やや剛性に不安あり。手に入りやすい。

Burnt Moutain Designs SPIKE(スパイク)

重量:826g

値段:約25000円

特徴ロッテフェラーのスーパーテレマークは装着に手で押さえつける必要があるが、これはステップインタイプのため、足を乗せるだけ装着できる。入手しづらい。

※番外編※ クロスカントリー用ビンディング

より軽快さや歩きやすさを求めるのであれば、クロスカントリー用のビンディングがおすすめです。最近はBCクロカンなどと呼ばれ人気があります。ふらっと山を歩くのに最適です。練習すればゲレンデでも滑ることができます。

BCクロカンも種類がややこしく、ビンディングに対応したブーツがそれぞれあるので、注意が必要です。

大きく4つにわかれていて、

  • NNNBC(Rottefella
  • NNN(Rottefella
  • SNSXA(SALOMON)
  • SNS(SALOMON)

があります。フィッシャーからも出ていますがよくわかりません。

この中で、山の中を滑るのであれば、剛性の高い

  • NNNBC(Rottefella
  • SNSXA(SALOMON)

の二択になります。

それぞれ専用のブーツが必要になります。ヤフオクではNNNBCのほうがやや多く出回っています。

Rottefella NNNBC

特徴NNNBCオートとNNNBCマニュアル、NNNBCマグナムの3種類がある。入手しやすい。取り付けも簡単。

SALOMON SNSXA

特徴XAはX-Adventureの略。ロッテフェラーのNNNBCと仕組みはほぼ一緒のため、おそらくOEMだが、SNSXA用の靴とNNNBCのビンディングに互換はない。

Rottefella NNN

特徴一般的なクロスカントリー用のビンディングで、細い板に適している。ヤフオク等でBCクロカンと書いてあるのに、よく見るとNNNビンディングである場合がたまにあるので要注意。画像をみて判断が必要。エッジのないウロコ板に向いている。

雪の中を静かに歩き、滑る

踵を固定されているアルペンスキーからテレマークに移行しましたが、もはやアルペンスキーには戻れません。

テレマークスキーの醍醐味は

  • 全身を使って能動的に、毎回違うターンができること
  • 滑りと歩きの境界線がないこと

です。

静かな森の中を探検したり、急斜面にドキドキしたり、雪の山を楽しむのに最適なスタイルが、テレマークスキーだと思います。

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